旅の現象学

2012年から2013年にかけてのユーラシア大陸自転車旅行の記録です。

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朝、ベトナム国境を越える。これがこの旅最後の陸路国境だと思うといつもより少し感慨深い。
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 さてベトナム人はがめついというのは旅人の中では有名な話なのだけど、僕もすぐに洗礼を受けた。国境を越えると待ち構えていたように両替商のおばちゃん達が寄ってきた。僕は基本的に新しい通貨はATMのキャッシングで手に入れるから、普段は両替商のお世話にはならないのだけど、この時は持ち越していたタイのバーツを両替したかったので、試しにレートを訊いてみた。しかし返ってきたレートは相場の三分の二のぼったくりレート。話にならないからその場を後にして、銀行を探しに行った。途中さっきのおばちゃん達とは別の両替商が声をかけてきたので、レートを訊くもやっぱりさっきと同じぼったくりレート。僕が銀行かATMに行くと言うと、彼女はこの先には両方ないと言う。街の規模からしてそんなはずはないと思って、彼女から逃げ数百メートル走ると、やっぱり両方あった。

 しかし見つけた銀行ではタイバーツの両替が出来なかったので、再度国境付近に戻り、警備員にこの辺りに両替出来る銀行がないかと尋ねていると、さっきとは別の両替商のおばちゃん集団がやってきた。警備員もこの人達が両替出来るよ、と話を切り上げてしまったので、仕方なくそのおばちゃん達と交渉することにした。最初に提示されたレートはやっぱりぼったくりレートだったのだけど、現在の正しいレートを示してこのレートに近くないと両替しないと交渉を続けて、何とか納得出来るレートになった。しかしここからが更にひどかった。おばちゃんが渡そうとする紙幣をよく見るとゼロが一つ足りない。僕がそのことを英語やジェスチャーで伝えてもそのおばちゃんは何が問題なのか全く分からないとでもいうように、困ったような笑顔を浮かべている。いくら伝えても、ずっとそんな感じだったから、僕がデノミかなんかでゼロが一つ少ないのは正しいのかもしれないと思い始めた頃、隣の別のおばちゃんが正しいゼロの数の紙幣を僕に見せた。やっぱりと思い、僕はゼロの少ない紙幣を渡そうとしたおばちゃんに「うそつき」と言って、隣のおばちゃんに両替をしてもらったのだけど、その間もゼロの少ない紙幣を渡そうとしたおばちゃんは隣で悪びれることなく笑っていた。ちなみに友達のお母さんとして登場しても違和感がないような普通のおばちゃんだ。

 実害はなかったとはいえ、さすがに十分の一の金額に両替されそうになったのは腹が立ったけど、まあいい話の種にはなったと思うことにして、気を取り直して走り出す。

国境からしばらくは熱帯らしい緑の深い道が続く。むわっとする植物の匂いを感じながら走った。
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ラオス程ではないけど、ベトナムでもよく子供達が笑顔で手を振ってくれた。こういう笑顔に何度か出会う頃、ベトナムの人に対する最初のマイナスの印象は消えていた。
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 この日の内に、あわよくば約160km先のフエという街に着きたい、と思っていたのだけど、アップダウンが多く思ったように進まず、100km位で走行を終え、フエには翌日向かうことにした。

翌日、フエに向かって走る。フエまでの残りの道のりは平坦な道が続く。
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途中、豪雨にあって市場に避難。
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午後、フエに到着する。フエは世界遺産に登録されている建物群がある古都で、中部ベトナム観光の目玉的な場所。着いてまずこの街一番の観光スポット、王宮に向かう。
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 ところがここが自分にとってはっとするほど興味をひかれない場所で、歩きながらどうしてこんなに興味をひかれないのか考えるのが一番楽しかったりする場所だった。もともと歴史的建造物にはあまり食指が動かない方だけど、今回は本当に何一つすごいと思ったりすることがなく、ひたすら義務的に建物を見ていた。

王宮を出て宿に向かう頃には日が暮れかけていて、フエ旧市街と新市街を隔てるフォン川の眺めが素晴らしかった。その景色はすっと自分に染み込んでくる。まあ何と言うか自分の好みを再認識した。
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242日目の走行距離約100km(ロカ岬からの走行距離11594km)
243日目の走行距離約64km(ロカ岬からの走行距離11658km)
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さんふぃ

Author:さんふぃ
ポルトガルロカ岬から、日本に向かって主に自転車で旅行中です。

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