旅の現象学

2012年から2013年にかけてのユーラシア大陸自転車旅行の記録です。

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ラオスに渡るために第三友好橋に向かったのだけど、イミグレーションで自転車では通れないと言われてしまったので、後からやってきたピックアップの付いた自動車に載せてもらって橋を渡った。
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 国境から少し走るとサワンナゲートというラオスで二番目に大きな街に着く。二番目に大きな街と言っても人口約12万人の小さな街で、対岸のタイの小規模な地方都市と比べても、かなりの田舎だった。特に観光スポットがある訳でもない街なのだけど、田舎ののほほんとした雰囲気のせいか、お金の両替をしたり、カフェでゆっくりしている内に時間がどんどん過ぎていって走り出す機を逸し、最終的に切れかけたカメラのバッテリーの充電を言い訳にして、そのまま近くのホテルに泊まってしまった。

 そんなことをしている割には、実はここから先、日本まではかなりタイトなスケジュールだったりする。中国を飛行機で飛ばすことに決めたのとセットで、好きなバンドの来日コンサートがある5月16日に間に合うよう福岡に渡ることを決めていて、そのためには東南アジアの残り約500kmと韓国の約500kmを残り12日で走り切らなければならないからだ。純粋に走るだけならそんなに問題ないのだけど、飛行機やフェリーでの移動やその準備、途中の観光を考えると結構厳しい。そんな状況なのにずるずるっと何もない街に滞在してしまう自分に少し呆れる。

 翌日、貯めた夏休みの宿題を一気に終わらせようとするような気合でラオスを本格的に走り出した。

しばらくは舗装の状態もいい。タイから引き続き、そこかしこに南国っぽい鮮やかな花が咲いていて道を彩っている。
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50km程進むとこんな看板が出てきた。この道は日本の援助で整備された道らしい。道理で走りやすい訳だと思っていると、この少し先から未舗装の区間が増え始めた。
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急ぎたいのに急げないもどかしさ。
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バナナ、パイナップル、マンゴー、ドリアン…。トロピカルフルーツを売っている露店を道沿いに沢山見た。
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4月の東南アジアは酷暑期。タイ南部程ではないけど、ラオスも日本の真夏並みには暑い。だから冷たい飲み物をしょっちゅう飲むのだけど、この写真のトウキビジュースはたぶんこの旅で一番美味しかった飲み物。トウキビジュース、インドで一度飲んだときにそこまで美味しく感じなかったから、それ以降飲んでなかったのだけど、ここら辺のは甘さが段違いで、インドで飲んだのとは別物だった。素朴なのにパンチのある甘さは本当にくせになる。以降、何度もお世話になった。
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こんな風に圧搾機でトウキビからジュースを搾り取る。
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 ラオス初日は、気合を入れて走り出した割には、未舗装の区間や小刻みなアップダウンに煩わされてあまり距離が稼げず、約100km位でギブアップし通りかかったゲストハウスに泊まった。

 翌日、今後のことを考えると何としても約150km先のベトナム国境に辿りつきたかったので、早起きし、昨日以上に気合を入れて走り出す。

朝食を食べた屋台。
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色々な種類の鳥や豚の串焼きが並んでいる。
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道は平坦だったり、アップダウンが続いたり。ところどころ舗装が切れる区間もあったけど、全体的には昨日よりも走りやすく、順調に距離を稼いでいく。
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しかしずっと順調にはいかないようで、雲行きが怪しくなってくる。この後案の定、豪雨になって近くの食堂に避難。東南アジアの雨期は日本の梅雨のように一日雨が降り続くことはあまりなく、散発的に激しく降る。30分位で雨はあがり、心地よい涼しさになった空気の中を走り出す。
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途中の、あぁ東南アジアだな、と感じた風景を何枚か。
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道中で会った人達の写真を何枚か。
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 ラオスの人達は本当に素晴らしく、ネパールと並んで道中もっともたくさんの笑顔をもらった国だった。子供達はどんなに遠くに僕を見つけても、サワディーやハローと叫んで手を振ってくれる。すっぽんぽんのまま駆けてきて手を振ってくる子もいる。僕がサワディーと返すと、子供達と遠ざかる僕との間で、延々と続くやまびこのようにサワディーが繰り返されたりする。

 大人達もよく笑顔で手を振ってくれたり、声をかけてくれたりする。その笑顔が素晴らしい。タイの人達もよく笑顔を向けてくれたけど、その笑顔はどこか薄い壁の向こうにあるような印象があった。それはそれで全然素敵な笑顔ではあるのだけど。一方、ラオスの人達の屈託のない笑顔はそういう壁を感じさせずストレートに僕に届く。二つ前の記事に書いたように、最近僕は積極的に人に関わろうとしていなかったのだけど、そんな笑顔に心を開かれるようにして、この国では自然と自分から通り過ぎる人に笑顔を向けて現地の言葉で挨拶をしていた。

 今回の旅行で走った経済的に貧しい国のトップ2がネパールとここラオスなのだけど、同時に道で会う人達が幸せそうに見えた国トップ2もこの二国。アルバニア、マケドニア、インド、ネパール、ラオス。今まで通ってきたあまりお金を持っていない国ではどこも人と人との間の壁が薄く、皆のびのびと生きているように見えた。もちろん一見しただけじゃ分かりようもない苦労や悲惨さもあると思うけど、お金を持っている国ではなかなか見ることの出来ない形の幸せが当たり前のもののように溢れているのもまた事実だった。

 夜まで走り続け、何とかベトナム国境に到着した。ほとんど明かりが見えない真っ暗な夜道(ラオスの夜は本当に暗い)でも、小屋の窓や庭やいろいろなところから子供達が僕を見つけて、サワディーやらハローやら叫んでくれるので、心細さを感じなかった。ラオス、こんなにいい国だったらもっと時間をかけて周りたかったなとちょっと後ろ髪を引かれる思いでラオスの走行を終えた。

239日目の走行距離約16km(ロカ岬からの走行距離11251km)
240日目の走行距離約98km(ロカ岬からの走行距離11349km)
241日目の走行距離約145km(ロカ岬からの走行距離11494km)
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コメント

ご無沙汰してます。もうすぐゴールだね。このコメントを読む頃には韓国くらいかな。自分との時差を考えると7時間くらいか。ずいぶん離れたね〜 最後まで楽しんで下さい

Re: タイトルなし

お久しぶりです!明後日にはユーラシアのゴール、釜山に着きそうです。
離れましたね~。けんたさんもヨーロッパ、順調そうでなりよりです。帰ってきたらまた色々話しましょう!

> ご無沙汰してます。もうすぐゴールだね。このコメントを読む頃には韓国くらいかな。自分との時差を考えると7時間くらいか。ずいぶん離れたね〜 最後まで楽しんで下さい

ラオスって行ったことないんだけれど、すごく長閑な風景だね。写真を見ていて、なんだかほっとした。

ところでコメントを見ると、既に韓国なのか。もうほんとに終わりだな。長旅の終わりって、寂寥感というか脱力感というか、張り詰めていたものが切れて何をしたらいいのか分からなくなった覚えがある。まあしばらくは、ゆっくりしてね。

Re: タイトルなし

いい国でした!
そしてついに昨日日本に着きましたよ!あとは福岡から埼玉まで走るのみです。

> ラオスって行ったことないんだけれど、すごく長閑な風景だね。写真を見ていて、なんだかほっとした。
>
> ところでコメントを見ると、既に韓国なのか。もうほんとに終わりだな。長旅の終わりって、寂寥感というか脱力感というか、張り詰めていたものが切れて何をしたらいいのか分からなくなった覚えがある。まあしばらくは、ゆっくりしてね。

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さんふぃ

Author:さんふぃ
ポルトガルロカ岬から、日本に向かって主に自転車で旅行中です。

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