旅の現象学

2012年から2013年にかけてのユーラシア大陸自転車旅行の記録です。

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 フランスに入った翌日の朝、荷物をまとめてユースホステルを出ようとすると、踊り場で歯磨き中の白人男性と鉢合わせた。見覚えがある顔のような気がするのだけど、頭がまだ寝ぼけているのか、すぐに記憶が引き出せない。少しの間、お互い目をぱちくりさせた後、白人男性が先に僕の名前を声に上げた。
 ポルトガルとスペインの国境で出会い、二日間一緒に走った二人組のフランス人自転車旅行者の内の一人、オーレリアンだった。まさか僕よりも四日早くバルセロナを出発した彼らにこんなに早く追いつけるとは思っていなかったから驚いた。チェックアウト時間が迫っているというのにまだ寝ているもう一人のアレックスをオーレリアンと一緒に驚かす。その後、三人でランドリーに行き、溜まっていた洗濯物を済まし、走り出す。

ランドリーの主人とだべる二人。
DSC_2582.jpg

 走り出してしばらくは平坦な道が続く。一カ月前と違い、特に頑張らなくても彼らについていくことが出来る。アレックスが「前よりも走れるようになったじゃん」と言う。最近、僕もそう感じ始めていたから、自信が深まる。しかし時間が経ち、向かい風が吹いてくるとだんだん距離が空いてくる。

写真を撮っている場合か!
DSC_2590.jpg

 後半は彼らに風よけになってもらい、ぴったり後ろについて走っていた。まぁ彼らの自転車がロードバイクベースで僕の自転車がマウンテンバイクベースという差はあるのだけど、深まりつつあった自信はしっかりリセットされた。こんなに速く走ってるのになんでまだこんなとこにいるのか、と訊くと、あんま自転車乗ってないんだ、と彼らは答えた。どうも彼らは旅に疲れてきているようだった。「まぁ君も三カ月目には分かるよ」とアレックスは言った。

 夕方頃から雲が厚みを増して、ぽつぽつと雨が降り出す。冷たい風がびゅうびゅう吹き秋を抜かしていきなり冬になったような寒さだった。こんな天気だと、一人だったら多少お金を出しても宿に泊まるのだけど、この日は三人でキャンプをすることになった(ちなみにスペインではどこの町にも大抵、20~25ユーロで泊まれる安宿があったのだけど、フランスにはない。ユースホステル以外の宿だと、最安でも35ユーロくらいはする)。
 夜遅くまで隣のテントでは、アレックスとオーレリアンがまるで修学旅行中かのように笑ったり話したりしていた。ちょっとうるさかったけど、やはりとなりに誰かがいるのは安心だ。僕は耳栓を付けて寝た。それにしても二カ月近くずっと一緒に走っているのにどこから話すことが生まれてくるのか不思議だった。性格も大分異なる二人なのだけど、割れ鍋に綴じ蓋といった感じの本当にいいコンビだと思う。

DSC_2606.jpg

 翌日、ナルボンヌまで一緒に走り、そこで僕はルートから離れたカルカソンヌに電車で寄り道するために別れた。彼らと別れるのはこれで三度目だ。別れ際、次はモンペリエかマルセイユで会おうといつものようにゆるい約束をした。

風景がないのがさみしいので最後に一枚。フランスに入ってから空の感じが変わった気がする。
DSC_2604.jpg

36日目の走行距離約58km(ロカ岬からの走行距離2086km)。
37日目の走行距離約33km(ロカ岬からの走行距離2119km)。 
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さんふぃ

Author:さんふぃ
ポルトガルロカ岬から、日本に向かって主に自転車で旅行中です。

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