旅の現象学

2012年から2013年にかけてのユーラシア大陸自転車旅行の記録です。

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 グラナダから海外線に出てバレンシアを目指すか、内陸を通ってバレンシアを目指すかで迷った。前者は距離は長くなるけど高低差が少ない。後者はその逆。グラナダで時間を使いすぎたこともあり、少しでも早くバレンシアに着こうと僕は後者を選んだ。結果的に、直線距離にすると100kmちょっとを走るのに三日間かかり、全然時間の節約にはならなかったのだけど、とても密度の濃い三日間になった。

 グラナダを出るとシエラネバダ山脈の北沿いの道を進んだ。素晴らしい景色が続き、この時点でこの道を選んで良かったと思ってたのだけど、翌日以降、僕はまだこの地の豊かさの一端にしか触れていなかったことを知ることになる。

僕がアフリカに抱くイメージの風景。
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現時点のこの旅の最高地点。
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 午前中までグラナダを散策していたこともあって、この日はあまり進めずグラナダから60km程西に進んだグアディクスという街に泊まった。

 翌日も景色を楽しみながら順調に走っていたのだけど、ちょっとしたトラブルが発生する。僕はいつもルートの確認をGPS付きのアンドロイド端末で行っているのだけど、休憩した際にどこまで進んだか確認すると、事前に検索していたルートから数キロ違う方向にきてしまっている。いつも曲がり道の手前では確認をしているはずなのでおかしいなと思いつつ、引き返すのだけど道がみつからない。Googleマップを見ながらよく探すと、こんな道が見つかった。
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 何度確認してもこの道を行けということらしい。道は明らかに山の方に伸びているけど、他に行く道がないので僕は進んだ。未舗装路でしかも基本上り道だから、当然進みが遅い。もはや自転車が荷物でしかない。初めはGoogleマップを恨みもしたが、上の方までくると様々なバリエーションの絶景が続き、示された道を信じて本当によかったと思った。
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 こういう風景の連続に僕は言葉を失った。例えばテレビや写真である風景を見て、その風景を実際に見に行ったとしても僕はこんな風に感動することはなかったと思う。道で予期せず出会えたからこそ、僕は言葉を失うほど感動することが出来たのだと思う。自転車で旅行することにして良かったと心から思った。

それでもこの道には笑った。もはや道と言っていいのか怪しいレベル。
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日が傾き始め、このまま進んでも町に辿りつけなさそうだったので、初めてのキャンプ。
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 緊張のせいか夜中、半分覚醒した状態の夢の中でテントに訪問者が現れる。トナカイ、ヒッピー、他に見知った人何人か。初めての野宿でどのような訪問者が現れるかは心理テストのいい材料になるのではないか。
 夢から覚めると、テントの中は夢の中のそれより明るい。時計を見てもまだ午前三時だ。月明かりの明るさに驚き、さぞ満天の星が広がっているのだろうと外に出ると、以外にも羊雲が空を覆っていて、月も半月だった。それでもこんなに明るいのかと改めて驚く。

翌朝、テントをたたみ、Googleマップが示す道を進む。すると驚愕の事態が。
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 川があり、橋がない。向こう岸に道らしきものが見える。僕のGoogleマップはいつの間にios6に取って代わられたのだろうと思いつつ、しょうがないので靴を脱ぎ自転車を押して渡る。最深部の水深が30cmくらいだったので何とかなったけど、夏なのに水がものすごく冷たくて足が凍るかと思った。秋や冬に来ていたらどうなっていたのだろう。
 ここまでしてどこにも辿りつかなかったらどうしようかと思ったけど、この後は比較的まともな道が続き一安心。しかし道のあちこちに大量の馬糞が落ちていて、放牧された馬の群れも見えた。どうやら通ってきた道は主に馬のための道だったようだ。Googleマップの徒歩ルートというのは馬の徒歩も含んでいることが分かり勉強になった。

無事、舗装路に出ることが出来た。なんという安堵感。
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舗装路に出ても絶景が続く。アンダルシアの大地の芸術。
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これ、レンズ雲っていうんだっけ。
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この三日間で大分たくましくなった気がする。

16日目の走行距離約66km(ロカ岬からの距離813km)。
17日目の走行距離約61km(ロカ岬からの距離874km)。
18日目の走行距離約78km(ロカ岬からの距離952km)。
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コメント

No title

事後報告だから良いけどリアルタイムだったられいみーさんが相当心配しそうな記事・・笑 なかなか面白そうだね!私もそんな度胸があったらなあ!

No title

今回は人が一人も出てこないな! そして自転車旅行ならではの体験だね。

GPS付きスマホを持っていれば、荒野でもiOS6の地図のニュースまでリアルタイムに取得出来るのか。
旅行者には便利な時代になったな。

電池切れだけが怖いけど、太陽電池で充電できるとか、
そんな仕組みを持って行っているの? 
太陽電池パネルを自転車の上に並べて走っているのであれば、
それはそれでシュールかつクールな絵だ

あと野宿で怖いのに野犬とかもいる。食べ物の匂いに気をつけてね。

Re: No title

確かに(笑)でも一応、安全第一で行動してるつもりだよ。この日も最悪の場合は来た道を引き返す余力と水は残していたし。これからも無茶しないようにするのでどうぞご安心ください。
> 事後報告だから良いけどリアルタイムだったられいみーさんが相当心配しそうな記事・・笑 なかなか面白そうだね!私もそんな度胸があったらなあ!

Re: No title

僕はwifiのタブレットを使ってるのでネットが出来るのは宿とかカフェとかだけですね。そういう環境で日本のニュース見たり、ルートを検索したり、ブログ更新したりしてます。場所確認に関してこの端末への依存度がかなり高いので、確かにバッテリー切れは怖いですね。太陽光充電、調べてみて導入を検討します!

野宿した際、一応食べ物は密閉したバッグに入れていました。夜中、夢なのか現実なのか定かではありませんが、がさがさと小さな動物らしきものが動きまわる音が聞こえてましたねー。今後も何か役に立ちそうな情報がありましたら、ぜひ教えてください!
> 今回は人が一人も出てこないな! そして自転車旅行ならではの体験だね。
>
> GPS付きスマホを持っていれば、荒野でもiOS6の地図のニュースまでリアルタイムに取得出来るのか。
> 旅行者には便利な時代になったな。
>
> 電池切れだけが怖いけど、太陽電池で充電できるとか、
> そんな仕組みを持って行っているの? 
> 太陽電池パネルを自転車の上に並べて走っているのであれば、
> それはそれでシュールかつクールな絵だ
>
> あと野宿で怖いのに野犬とかもいる。食べ物の匂いに気をつけてね。

No title

うお、これは凄い経験(笑)
たぶん紙の地図でルート決めていたら通らないであろう道ですね。
川を渡る道は普通の道路地図には載せられないですから(笑)

No title

いつも絶景の写真と活き活きとした描写を楽しく拝見しています。あなたはこの景色を単なる写真ではなく、360度の実風景として心のシャッター切っているのですね。はじまって1カ月たらずでこの濃密さはさすが自転車での大陸横断というスケールですなぁ。これからもどうか安全第一で!

Re: No title

ええ(笑)文明の利器も過信は禁物ですね。ともあれヨーロッパではあまり期待していなかった大陸的な景色を見れて大満足でした。
>うお、これは凄い経験(笑)
>たぶん紙の地図でルート決めていたら通らないであろう道ですね。
>川を渡る道は普通の道路地図には載せられないですから(笑)

Re: No title

ありがとう!楽しみにしていてくれる人がいると励みになるよ。ちなみに大陸横断は厳しいかと思います(笑)
>いつも絶景の写真と活き活きとした描写を楽しく拝見しています。あなたはこの景色を単なる写真ではなく、360度の実風景として心のシャッター切っているのですね。はじまって1カ月たらずでこの濃密さはさすが自転車での大陸横断というスケールですなぁ。これからもどうか安全第一で!

No title

ここにきて初かきこ。

さんふぃさん。めちゃいい旅してるね。
私が8月にグランドキャニオンへ向かった時、
やっぱり飛行機より車の方が景色を感じられていいなと思ったけれど、
自転車はやばいね。
風や匂いを感じられるのはステキです。

さんふぃさんのお陰でスペイン行ったら
グラナダをリストに入れておこうと思いました。

ちなみにリスボンでは消臭力とセットだったらパーフェクトでしたw

Re: No title

ありがとうございます!スペインは本当にいい国だと思いますよ。ぜひ訪れてみてください。
あと隣のIさんにグローブ、本当に重宝しています、とお伝えください(笑)

> ここにきて初かきこ。
>
> さんふぃさん。めちゃいい旅してるね。
> 私が8月にグランドキャニオンへ向かった時、
> やっぱり飛行機より車の方が景色を感じられていいなと思ったけれど、
> 自転車はやばいね。
> 風や匂いを感じられるのはステキです。
>
> さんふぃさんのお陰でスペイン行ったら
> グラナダをリストに入れておこうと思いました。
>
> ちなみにリスボンでは消臭力とセットだったらパーフェクトでしたw

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さんふぃ

Author:さんふぃ
ポルトガルロカ岬から、日本に向かって主に自転車で旅行中です。

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