旅の現象学

2012年から2013年にかけてのユーラシア大陸自転車旅行の記録です。

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クタイシを出ると次の目的地はグルジア首都のトビリシ。北方にカフカス山脈を望みながら走っていく。
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暗くなった後、泊まる場所を探してゼスタポニという街を走っていたら、この写真の右のゴジータというおじちゃん(めちゃくちゃ強そうな名前だ)に呼び止められて、地元の濃いおじちゃん数人と雑貨屋兼軽食屋のような店でお酒を飲むことになった。
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おじちゃん達は唾が飛ぶのも気にせずに大きな声でしゃべり、豪快に笑う。英語は少ししか通じないけど、繰り返される乾杯と大きな笑い声でその場の空気は滞ることなく流れていく。実に素朴で陽気な人たちだった。グラスが空になると間髪いれずに次のお酒が注がれる。断る仕草をしても「まあまあ飲みなさい」とお構いなし。その度に僕達は乾杯をし、立ったままお互いの腕を交差させてウォッカを一気飲み(グルジア人はよくこれをやるらしい)したりした。

泊まる場所を探していること伝えると、レゾという巨体の丸いおじちゃんが「マイハウス、マイハウス」と言うので、ありがたく好意に甘えることにした。外に出ると、タトというおじちゃんが自転車に積んであるギターを見つけて、演奏会が始まった。さすが男性合唱で有名なグルジア人で、歌もギターもとてもうまい。グルジアの歌の他にも、ビートルズのミシェルやガールをたぶんグルジア語で歌ったりもしていた。他の二人のおじちゃんはギターに合わせて踊っていた。巨体をゆすりながら器用にステップを刻み、帽子をくるくる回したりするレゾの踊りはとてもチャーミングだった。
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レゾとタトと一緒にレゾの家に行くと、奥さんが用意してくれたグルジア料理を囲んでまた酒盛りが始まった。本当に彼らは底なしで、悪酔いすることなくひたすら陽気にワインやウォッカを飲み続けていく。
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タトの曲芸ギターに併せてレゾの息子も踊り出す。
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奥さんが用意してくれたグルジア料理。ロールキャベツのような煮込み料理がとても美味しかった。
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酒盛りは一時を過ぎてもまだまだ続きそうだったので、僕は先に失礼して、離れで眠った。

翌朝、起きてリビングに行くと、朝食を囲んで早速、酒盛りが開始。最初は寝起きだからか、少し気だるい感じに飲んでいるのだけど、すぐにエンジンがかかっていく。
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朝から躍り出すレゾと呆れる奥さん。ちなみにこの日は月曜日。レゾは絵描きらしいから良いとしても、タトは大丈夫なのだろうか。
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この日は早めに出発したかったのだけど、ずるずると引きとめられて結局午後になった(自転車に乗るのでさすがにお酒はあまり飲まなかったけど)。スリコの家で体験出来なかったグルジア流の酒盛り、こんな形で体験出来るとは思わなかった。飲酒量も陽気さも底なしなおじちゃん達だった。
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出発後は、山間部を通過してアガラという小さな町まで走った。山間部の道のりには、現代社会から取り残されたような素朴な小さな村や自家製の陶器や木製の道具を売っている小屋が点在していて、旧ソビエトという土地柄、ドストエフスキーの小説で描写されているような、19世紀のロシアの村の風景が思い起こされた。
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翌日、比較的平坦な道を延々と走り続け、トビリシに到着した。この日の道のりではカフカス山脈が一番、大きく見えた。
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147日目の走行距離約27km(ロカ岬からの走行距離7074km)
148日目の走行距離約83km(ロカ岬からの走行距離7157km)
149日目の走行距離約133km(ロカ岬からの走行距離7290km)
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雨の中、残り30km程のトルコの道を走って国境に着く。グッバイ、ターキー。
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グルジアに入ると広かった路肩が狭くなり、アスファルトの質も落ちたので一気に走りにくくなった。トルコの道は本当に自転車に優しかったと改めて実感。
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国境から20km程走って、黒海ではリゾート地として有名なバトゥミという街に着く。カジノやホテルが並ぶ街の中心はヨーロッパ的に洗練されているらしいのだけど、僕が通った道沿いは、生活の匂いが溢れ出ている雑然とした街並みが続いていた。
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この日はバトゥミから更に20km程走った道沿いのホテルに泊まり、翌日、グルジア第二の都市クタイシを目指して出発。

朝食。ヒンカリというグルジア風の小龍包。悪くないのだけど日本で食べ慣れているものと比べると、皮が厚く、水分が少ないので、ちょっと違和感がある。
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グルジアの道は放し飼いにされている家畜がめちゃくちゃ多い。ヤギ、羊、豚、鶏、牛、ロバ…。たぶん人間よりも多く彼らとすれ違った。
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ヤギと雨宿り。
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この日は一日中、雨が降り続いていたのだけど、どうしても翌朝にネットが使える環境にいなければならなかったので、何とかがんばって120km先のクタイシに到着。

クタイシでは自家製ワインやアルコール度数の強いチャチャという蒸留酒を飲まされることで有名な、スリコの家というゲストハウスに泊まった。僕はここでの宴会をグルジアでの一番の楽しみにしていたのだけど、残念ながら、去年スリコが飲み過ぎで倒れてしまって以来、それは影を潜めているらしい。それでも奥さんのメディコのホスピタリティーは素晴らしくて、「イート、イート」「ドリンク、ドリンク」と際限なく勧められるままに食べまくり、飲みまくる、とても居心地の良い時間を過ごさせてもらいました。

メディコさん。
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翌日と翌々日の午前中はクタイシ周辺をゆっくり観光。

郊外にある世界遺産のゲラティ修道院。正直あまり期待していなかったのだけど、丘の上の芝生に歴史を感じさせる石作りの修道院が立っている牧歌的な風景は思いのほか素晴らしかった。
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ゲラティ修道院の帰りに寄ることが出来るモツァメタ修道院。
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街の中心部の丘にある同じく世界遺産のバグラティ大聖堂。僕が行ったのは日曜日でちょうど聖体礼儀が行われていた。聖堂に入ってくる人たちが、次々とイコンの前に屈み込みキスしていく様子が印象的だった。
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丘からはクタイシの街並みとカフカス山脈が一望出来る。
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144日目の走行距離約79km(ロカ岬からの走行距離6918km)
145日目の走行距離約119km(ロカ岬からの走行距離7037km)

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さんふぃ

Author:さんふぃ
ポルトガルロカ岬から、日本に向かって主に自転車で旅行中です。

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